あたしの初彼☆王子様はお姫様??
「そいつって、誰?同じ学校の男?俺が知らない奴だもんな。そいつは桃歌ちゃんの気持ち知ってんの?」



「知らないよ…完全なあたしの片想いだからねっ」



葉瑠夏君の名前は絶対言えない。



「完全な片想いかぁ~~!俺と一緒だね。俺も桃歌ちゃんにずっとそうだから…」



誰にも伝えられない、教えることのない、あたしの想い。



「………ゴメンね……」



「あっ、そういう意味じゃなくて…いいんだよ。俺は長期戦で行くって宣言したじゃん!桃歌ちゃんは謝らなくていいからぁ。俺の問題なんだからさ」



「でも……」



「俺が桃歌ちゃんに認めてもらえるような、いい男になりゃいいんだからさっ!!それより、ディズニーランド、楽しみだぁ~~♪一樹と計画進めるからね」



無理に明るく振る舞うような向陽君の姿が目に浮かぶ。



「うん…あたしも楽しみにしてる」



向陽君を喜ばせてあげたいのに……。



「じゃあ、また、電話する。またね!桃歌ちゃん!」



今のあたしには向陽君を笑顔に出来ない。



「分かった。またねっ!」
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