あたしの初彼☆王子様はお姫様??
「向陽に頼まれたの?」



一樹がそんな香理奈を横目で見ながら、言った。



「まぁ、そんな感じです~。向陽って、いつも肝心なところでミスしたり、タイミング悪かったりするんですよねぇ~。昔っからそうなんでぇ~」



「まっ、今日は楽しもうぜ!さっ!行くかぁ?」



一樹のひと事に席を立ち、駅へと向かう。



一樹と香理奈が一緒に歩くと、自然にあたしの隣には葉瑠夏君。



ラフな感じのジャケットに細身のジーンズ。




スタイルのいい葉瑠夏君だから、良く似合う。




人混みを掻き分けながら、前にいる二人の後を歩く。



何度か他の人にぶつかりそうになって、慌てるあたし。



こういう時、鈍臭いのがバレてしまう。



葉瑠夏君はそんなあたしに、



「はい!!ほらっ!」



と、言って少し強引にあたしの手を取り、しっかりと手を繋いでくれた。
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