あたしの初彼☆王子様はお姫様??
痛んだ茶髪に見るからに軽そうな男っていう印象の一樹。



そしてその隣で爽やかに微笑む向陽君。



黒髪で少し長めの前髪から覗く大きな瞳。



明らかに一樹とは違う雰囲気の向陽君。



あたしと目が合うと、ニコっとして、



さらに少し顔を赤らめるところなんかはなんだか新鮮な気がした。



「あたし……青木……桃歌…です」



向陽君をそのままジッと見つめながら、



あたしはひと言だけ素っ気なくそう言った。



「桃歌ちゃんね!!聞いてた以上に可愛くてビックリだよ。それに名前も可愛いなぁ」



そんな向陽君の言葉に反応するかのように、



一樹があたしに近づき、あたしの顔を覗き込む。



「さすが香理奈のダチだなっ♪レベル高けぇよ。可愛いじゃん!!」



「だから一樹に言ったじゃん。可愛いって♪桃は可愛いのにずっと彼氏がいないのぉ!向陽君、こっちに座って!!」



「あ、うん」



香理奈に促され、向陽君はあたしの隣に座った。











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