せんせいは15才
◆2◆
秀才
とりえはこの頭脳だ----
金もない、身よりもない・・
そんな境遇のなかで、彼の頭脳だけが
秘められた宝のようにひそかに息づいていた。
参考書は、近所からもらったものだった。
今の彼の財政状況では、学校での最低限必要なものを
そろえるので精一杯だった。
公立高校といっても、色々と金が要った。
中学校三年生で施設をでてから、
この四畳半のアパートで生活を続けている。
風が吹けば窓はがたがたと鳴り、
地震がきたらつぶれてしまうかと思われる、
そんな古小屋のような家だ。
この小さな古い家で4月から一人生活を始めた。
乾ききった冷たい空気。殺風景な部屋で寝起きし、学校に行く。
学校から帰るとすぐさま工事現場のバイトに行く。
そんな毎日だった。
でも彼には楽しみがあった。
「勉強」だった。
勉強は、得意だ。
一度勉強したことは頭から絶対に抜けないし、
新しいことを理解するのも人より断然に早かった。
金もない、身よりもない・・
そんな境遇のなかで、彼の頭脳だけが
秘められた宝のようにひそかに息づいていた。
参考書は、近所からもらったものだった。
今の彼の財政状況では、学校での最低限必要なものを
そろえるので精一杯だった。
公立高校といっても、色々と金が要った。
中学校三年生で施設をでてから、
この四畳半のアパートで生活を続けている。
風が吹けば窓はがたがたと鳴り、
地震がきたらつぶれてしまうかと思われる、
そんな古小屋のような家だ。
この小さな古い家で4月から一人生活を始めた。
乾ききった冷たい空気。殺風景な部屋で寝起きし、学校に行く。
学校から帰るとすぐさま工事現場のバイトに行く。
そんな毎日だった。
でも彼には楽しみがあった。
「勉強」だった。
勉強は、得意だ。
一度勉強したことは頭から絶対に抜けないし、
新しいことを理解するのも人より断然に早かった。