せんせいは15才
朝。



ふと憧れの学校について考えていた。



漣学院----。



何度、その学校を夢見たことだろう。



今、自分は公立で一番レベルの高い高校に在籍しているとはいえ・・・
漣学院にはかなわない。



なぜなら、漣学院は、父と母が出会った学校であったから。



小さな頃から、その思い出話を聞いていた。



いつのころからか、漣学院は幸せの象徴になっていて、自然と
この学校にいきたいと思うようになっていた。



漣学院に行けば、自分も幸せになれるかもしれない・・



そんな風に考えたときもあった。



しかし、こんな状況では、入れるわけがなかった。
たとえ入試を簡単にクリアできたとしても。


「もう、いいじゃないか・・・」


自分に言い聞かせた。
今を生きるのに、精一杯なのにそれ以上の望みなど
贅沢なのだ。



でも。



今日は、なんとなく、漣学院をみてみたい気分だった。




どうせ、高校にいっても、
すでに知っている内容を教えられるだけなのだから。






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