せんせいは15才
「何しているのかね??」


漣学院から出てきた
初老の男に声を掛けられたとき、
すくなからず彼は緊張した。



もう高校は授業が始まっている時間だ。


そんな頃に、学ランをきて漣学院の前をうろついていた。


怪しく思われただろうか。



「何でもありません。憧れの高校だったので
見に来ただけなのです」


彼は正直に言った。



「この高校に受からなかったから、ということかね」


「・・というか、受けられなかったし、通えなかったからです。
貧乏なもので」


それを聞いて、初老の男は黙っていた。


「名前を聞いていいだろうか。
私はこの漣学院の理事長の綾峰昭三という。」



「・・・黒崎・・・黒崎杏馬といいます」




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