せんせいは15才
「君だったのか」






理事長と名乗るその初老の男は驚きを隠せないようだった。




「・・・?」





彼は、なぜ彼が自分のことを知っているのだろうと不思議だった。





「全国模試などでずっと1位を取り続けているだろう。
君の名前は関係者の中では有名だよ。」





「それと・・君の境遇も・・風の噂で聞いていてね。
気を悪くしないでほしいのだが・・・」




身寄りのない貧乏学生ということか-----


なんとも返しようがないので
黙ってうつむいていた。彼の黒髪が風で揺れた。


同情には慣れている。



< 30 / 82 >

この作品をシェア

pagetop