せんせいは15才
この番号が、嘘だったらあきらめよう。



世の中はそんなに甘くない・・それは痛いほど解っているから、いい。




もし本当だったら?



そのときは、自分に試練を課してもらおう。




そう、決めていた。




怖いのだ・・・



今まで代償なく何かが手に入れられたことが、ない。



だから、自分を納得させるために、なにかを、させてほしい・・・




---------呼び出し音



「漣学院理事長室です」



秘書を通じて、
すぐに初老の綾峰は出た。


「綾峰だが」



番号は、本物であった。



「…黒崎です」



「…君か。」




黒崎は先程考えたことを述べた。
「先程のご提案、僕としてはぜひ受けたいです
…こんな…
チャンスを、ありがとうございます」




「そうか!いやいや心配することはないよ。
関係者も嬉しがるよ。君は秀才で有名だからね」





「僕からも提案させていただきたいことがあります」




「何かね?」




「僕は…していただいているだけだと気分がよくないんです。
こんな風に、とんとん拍子で物事が進むなんて、慣れていなくて。


試験のようなものを実施してもらい、僕を入学させるか、
判断してもらえませんか??


そうすれば、あの、僕は自分のなかで整理ができる気がするんです。
今起きていることに・・」





「・・・たしかに、そのほうが学院に話を通しやすいが・・
といっても、君の解けない問題なんてあるのかと。だったら
試験なんて意味ないと思うんだが」



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