せんせいは15才



「さて、そうと決まったら、近いうちに孫に君を紹介しよう」



「あの・・・」



「なんだね?」



「このテストで、僕の転入がかかっていることは、
その方には言わないでください・・。
あまりにも、その方に失礼だと思います。
「利用」していることになるし・・・
僕は、アルバイトでやっているということにしてください」




「わかっとる。すべてわしに任せておくれ。

孫の、留年は結構深刻問題なんだ。
どちらにせよ、次のテストで80点以上とれないと、留年は
決定だろう。


このテストには、孫と、君と、両方の運命を託そう。どうかね。そこらの難問より難しいぞ


それであれば、君の後ろめたさも、すこしは軽減されるだろう?



二人が、二人とも頑張れれば、未来は明るい。
どちらか一方の頑張りでは、未来はどうなるかわからない。



それでもいいかね?」



二人の未来がかかった難問。



でも、それを解いていくのが、自分らしいやり方だと思った。



「やります。やらせてください。」



解答と解説がなくても、解いてみよう。



とにかくやってみるしかない。
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