せんせいは15才
部屋に落下音が響き渡った。
でも、痛くない・・・。
ショックを吸収するかのように
かずいの下に、黒崎がいた。
「・・・・!!!ゴメンっ!!!!」
驚いて、黒崎から離れた。
うそ・・・黒崎が私の下敷きに・・・
「大丈夫ですか?」
「うん・・」
黒崎のほうをみると、
衝撃でめがねが飛んでしまったようで、
素顔があらわになった。
めがねなしの黒崎は、初めて見る・・・。
「あの・・ありがとう、助けてくれて」
「・・たまたま下にいただけですが・・
でも、よかったです、怪我がなくて」
相当目が悪いようで、
手探りでメガネを探しながら、そういった。
ふんわりと黒髪が、黒崎の滑らかなほほを隠す。
ふと顔を上げたとき、隠されていない、黒崎の目が
あらわになった。
色素の薄い、こげ茶色の目。
<・・・キレイ>
気づくとかずいはそう発していた。
でもそのあとハッと気づき、口をつぐんだ。
黒崎の様子をみる。
・・・黒崎には聞こえなかったみたい。
足元に落ちていた、黒ぶちメガネに気づき、手渡す。
目が見えないから、黒崎は、私の至近距離まで来た。
その距離、30cm。
黒崎の目と私の目があった。
黒崎が私の手から、めがねを受け取って
かけるまでのあいだに。
胸の奥にともり始めた
感情に気づき始めていた。
そっと、目をそらした。
わたしは、確実に
ドキドキしていたんだーーーー