せんせいは15才
「こんばんは」
今日も黒崎は、普段どおり、学ランで私の部屋に来た。
玄関で靴を脱ぐ仕草。
揺れる黒髪。
めがねを上げる手。
なんだか、妙に、見てしまう。
私・・・どうしちゃったんだろう?!
「僕・・なんか変ですかね?かずいさんさっきから
ずっと僕のこと見つめてますけど」
「・・・別に!」
恥ずかしさを隠すため、私はくるりと後ろを振り向いて、
自分の部屋に向かった。
ちょうど三日前・・・
黒崎は敦詞に殴られた。
「お前もかずいのこと好きなら、どうどうと戦えよ」
という敦詞のめちゃくちゃな理論で。
その日の家庭教師タイム、
黒崎の傷を消毒しなきゃと思って、上の棚を探した。
で、足元がぐらついて下に落ちたとき・・
黒崎が下敷きになってくれていたんだ。
本人はたまたまそこにいた、って言ってるけど。
うそ。だってその証拠に、めがねもどっかに飛ばしちゃってるし。
めがねを取った黒崎の素顔・・・
前からちょっと気づいていたけれど、
色素が薄くて、茶色い目がすっごいキレイで・・
見とれてしまったんだ。