せんせいは15才
--------理事長室------------
「おお、かずいか。どうかね調子は?
黒崎君は、教えるのうまいだろう?」
「おじいちゃん!」
「・・・なんだ」
「黒崎君に、いったいいくらの契約で、
今回の家庭教師しているの??」
「どうした、急に」
「昨日、彼が工事現場で働いているの見ちゃって・・
毎日、私の家庭教師をしたあとは、肉体労働のバイトしてるんだと思う。
それって、相当無理してると思わない?!
よくわかんないけど、お金が必要な、事情があると思うんだ。」
黒崎は聞いても絶対話してくれないと思うけど・・。
「お願い、おじいちゃん、そんな無理をやめさせたいの。
家庭教師のバイト代をもっと上げて欲しいんです。
無理だったら、出世払いで上げた分は私が返すし・・・」
「あははははは」
おじいちゃんは突然笑い出した。
「なにがおかしいの?」
苛立ちを隠せない。
「いや・・驚いたんだよ。かずいから
<出世払い>なんて言葉が聞けるなんて思ってなかった
からね」
「・・・・」
「かずい、変わったね。
彼が、変えてくれたのかねえ・・」
「別に!おじいちゃんには関係ない。
それよりも、バイト代は上げられる?」
おじいちゃんは、すこし微笑ながら
「あげるもなにも、最初から<お金は払っていない>。
お金を・・彼が拒否したんだ。
完全なボランティアとして、
家庭教師をやってもらっている」