せんせいは15才
◆4◆
矛盾
「おー黒崎。
今日もがんばるねえ」
夜間工事現場。
バイト仲間のヤスだ。
「…金持ちになりてえな。はやく俺もバンドでデビューしてミリオン…」
「…夢は大きい方がいいですからね」
黒崎は事務所で作業着にきがえながら、ヤスに答えた。
「若いわりに、キミは夢ないのね」
ヤスはつまらなそうに現場へ出ていった。
夢…
夢はあるのだ。
自分で、自分の「身寄り」をつくることだ。
もう、こんな孤独は嫌だーーー
仕事なんてなんでもいい、○○になりたいなんて、贅沢なことは言わない
でも…
孤独だけは嫌だ…
黒崎は現場にでて、いつも通り仕事をし始めた
重い金属を運びながら、考えていたのは、
かずいの学習プランについてだった。
三週間経過し、
今日目に見えて伸びを実感した。
そのときは嬉しかった…
自分が相手の役に立てたような気がして
今まで、
どれだけ辛い仕事をしても誰のためなのかわからなかった
金だけのためだった
でも
今のこの家庭教師は
誰かのためになっている…
家庭教師をしている時間は
かずいのために自分のちからをかす
それは
孤独を忘れる
唯一の時間だった
今日もがんばるねえ」
夜間工事現場。
バイト仲間のヤスだ。
「…金持ちになりてえな。はやく俺もバンドでデビューしてミリオン…」
「…夢は大きい方がいいですからね」
黒崎は事務所で作業着にきがえながら、ヤスに答えた。
「若いわりに、キミは夢ないのね」
ヤスはつまらなそうに現場へ出ていった。
夢…
夢はあるのだ。
自分で、自分の「身寄り」をつくることだ。
もう、こんな孤独は嫌だーーー
仕事なんてなんでもいい、○○になりたいなんて、贅沢なことは言わない
でも…
孤独だけは嫌だ…
黒崎は現場にでて、いつも通り仕事をし始めた
重い金属を運びながら、考えていたのは、
かずいの学習プランについてだった。
三週間経過し、
今日目に見えて伸びを実感した。
そのときは嬉しかった…
自分が相手の役に立てたような気がして
今まで、
どれだけ辛い仕事をしても誰のためなのかわからなかった
金だけのためだった
でも
今のこの家庭教師は
誰かのためになっている…
家庭教師をしている時間は
かずいのために自分のちからをかす
それは
孤独を忘れる
唯一の時間だった