せんせいは15才
◆6◆
指摘
工事現場にも「休憩」は不可欠だ。
「休憩」することによって、ミスが減り、作業効率も上がるからだ。
休憩時間。ヤスと黒崎は事務所で休んでいた。
「このまえは、びっくりしたぜ、急に男に殴りかかるんだもんよ」
このまえ、敦詞を殴った一件だ。
「・・スミマセン」
「あやまるこたあねえけどさ、
俺、なんか関心しちまってよ。
物静かな青年風のアンタが、あんなふうに感情を表に
出すこともあるんだな~って」
ヤスはなぜかニヤニヤしている。
「・・正直【コレ】だろ?」
小指をひらひらさせて、パンをかじっている。
「・・ちが・・・」
「隠すんじゃねえよ。俺にはわかるぜ。
なんせお前よりも10年以上長くいきてんだからよ。
ああゆうのは、女絡みって決まってんだよ」
「・・そんなんじゃありません」
「まだヤッてないってこと?」
「・・ヤスさん!!」
「違うんだ?じゃあ純情に片思いとか?」
「・・・」
黒崎は呆れ顔で沈黙していた。
「ま、どっちにしろ、その女とは最近であったろ?
ここ一ヶ月のあいだくらいに」
「え・・」
ヤスは、物知り顔で言った。