幸せ色の贈り物
「あっ、半分より前は開くなよ?ダメだかんな。」
後から焦ったようにそう付け足す彼に、あたしは思わず笑ってしまった。
《“あー、マサー!!”って言ったんだよ?》
「わかってるし、そんなこと。」
最後のページにそう書くと、見せる前に言われてしまった。
あたしの後ろに回ったマサは、どうしても前のページを見せたくないらしい。
からかうようにページを捲れば、マサは必死になって阻止してくる。
そんなマサが、何だか子どもみたいで可愛かった。
でもね?
あたし、知ってるんだよ?
そのスケッチブックに描かれているもの。
見えてしまったの。
授業中、あなたの背中をこっそり見つめていたとき。
その視界の端っこに。
キレイな女の子の絵が。