幸せ色の贈り物
「なぁ、チヅさぁ…。話、あるって言ってたじゃん?」
マサが急に真剣な顔をしたので、あたしも真顔で頷いた。
そうだ…
今日、告るんだ。
1人決意を固めながら、あたしはマサをじっと見つめ返す。
「じゃあさ、今からちょっと付き合って。」
そう言うと、腕を強引に引っ張って学校から抜け出してしまった。
どこ行くんだろう?
頭の隅っこでそう考えながら、あたしはギュッと拳を握り締めていた。
たとえ、マサに特別な誰かがいようと。
それでいい。
最初っからダメ元だったんだから…
必死にそう言い聞かせる。
それなのに、あたしの心は言うことを聞いてくれない。
もしかしたら…
松野さんと別れたなら、あたしにもちょっとはチャンスあるのかな?
そんなことを考えてしまうあたしがいる。