幸せ色の贈り物
「チーズ!」
「んぎゃっ!」
突然名前を呼ばれ、びっくりして飛び上がりそうになった。
「何その声…。色気ゼロっ。」
「はぁーー…」
12月24日。
世の中のカップル達が浮かれまくり、ラブラブイチャイチャしまくってるこの日、大きなため息を吐き出したあたしの名前は千津(チヅ)。
「ため息とかマジ止めて。あたしの幸せまで吸い取られそうだわ。」
そして。
私の隣、毒舌マシーンの如くズバズバと言葉を発するこの子は、大学の友達、エレナ。
ちなみに漢字は、恵玲奈。
“恵”だけ浮いてて嫌。
そう言ってレポートやテストの名前には“エレナ”とカタカナで書くと決めている。
昨日も前にも何度か聞いたことがあるような、そんなくだらない話を夜中3時まで延々と続けていた。
あたしたちはそんな仲。
つまりは親友だ。