幸せ色の贈り物
「あ、エレナぁ。あのストラップお揃いで買おう!」
「はぁ?何が悲しくてあんたとお揃いにしなきゃなんないの?」
ストラップを指差してはしゃぐあたしに、エレナは呆れたように顔を歪めながら冷たく言い放つ。
「いいじゃん!あたしは黄色でエレナはピンク。」
そう言ってピンクを差し出すと、エレナは明らさまに嫌そうな顔をした。
「げっ、ピンクかよっ。てか、あんた黄色好きだねぇ〜」
「うん。だって黄色って幸せっぽいじゃん?何か平和でポカポカした色って感じ。」
「意味わかんないし…」
そう言うと、ピンクのストラップを持って歩きだした。
「えぇ〜、わかってよ。」
不服そうに言いながらも、笑みが零れる。
何だかんだ文句を言いつつも、エレナはやっぱり優しくて。
それがすごく嬉しかった。