幸せ色の贈り物








――ねぇ、チヅ、聞いた?


何となくソワソワした様子の友達が、あたしの右腕をひっぱってきた。


「何が?」


何のことだかわからず、首を傾げる。


そんなあたしの様子を見て、その子は声のトーンを上げて興奮気味に、


「別れたんだって!」


そう言った。


別れたんだって!


って…


「誰が?」


当たり前の質問をしたあたしに、呆れたように左右に首を振り、今度はワントーン低い声で話しだした。


「誰がって…。
雅也くんに決まってんじゃん!他に誰がいるってのよ。馬鹿チヅ!」


マサが…?


そっか…


別れたんだ…


ビッグニュースなはずなのに、あたしの頭はなぜか不思議なほど冷静で。


でも、それはもしかしたらあの決意のせいかもしれない。


あたしの決意――


今年のクリスマスは、何があってもマサに告白する。






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