あたしとあいつ
第1章
あたし
「大丈夫?」
机に顔を伏せたけど声をかけられてやっと顔をあげた。
「無理…」
いつもなら昼休みを賑やかに過ごしているのに今日は騒ぐ気力がない。
「送ろっか?」
幼なじみの白石雛乃(しらいしひなの)。
「ありがと、平気」
あたしは渡里ありす(わたりありす)、中学2年。
成績は上の中くらい。
どちらかといえば頭のいいほうに分類される。
遅刻も少ない。
友達もわりと多い。
先輩方にはよくしてもらっている。
後輩は知り合いが少ないからよく分からない。
まぁ、こんな感じ。