revave
「どこいくのさぁ」


「さぁ」


「どこ~?どこに行く気~?あたしをどこへ売り飛ばす気~?」


冗談混じりで笑い飛ばし、人の気配の全く感じない朝の道を車で駆けていった。


店にいる時は感じなかったけれど、リョウはそうとう喋るのが好きらしく、隣で休む間もなくぎゃあぎゃあと騒いでいた。


「ちょちょちょっと!車スピード出しすぎですからぁ!!わっ対向車線からトラックがぁ!ぶつかるぅ!」


「ぶつかんねぇよ!オラっ!!」


ぎゃあぎゃあ騒ぐリョウの横で、更にスピードをあげて車を走らせる。


「ばか!あたし死にたくないんだからぁ!!」


「ばかってなんだよ!このハゲ!」



久しぶりに、人と一緒にいて楽しい会話が出来ていると思った。


スッピンの顔で、コロコロと表情を変えるリョウは、何とも可愛らしい女に思えた。



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