revave
適当に車を走らせ、適当に女を喜ばせ、適当にいつも最終的にドライブコースになってしまう定番の場所に来てしまった。



夜なら夜景が見える、山だった。



「意味分かんない!!」


リョウがげらげら可笑しそうに、もうすっかり明けてしまった街を見下ろす。


「あァ?」


「いや、ここは夜くるもんでしょ?!朝来たって夜景見えないじゃん!



「うるせぇな。心で感じるんだよ」



リョウと話すと、若干テンポが狂う。


基本的に俺は落とす前の女には、気持ちが悪いほど優しい。


でもこの女は何故か昔から知ってるような、懐かしい匂いがする。


窓を全開にし、「夜景は夜見るものだ」等と言いながらも、リョウは嬉しそうに外の景色に見入っていた。



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