revave
「そろそろ行こっか」


全開にしていた窓をしめ、リョウは俺に一瞬顔を見せた。


それに合わせるように、俺の手はリョウの肩へとのびる。



そしてリョウは目をゆっくりと閉じた。


全て分かっていたように。全てを予感していたように。


閉じた瞳に、重なる唇。


そこには理由なんかきっと存在しなく、そうあるべき自体はいつも自然に訪れてくる。



唇が離れた瞬間、リョウは少しだけ頬を赤らめて、俺に笑ってくれた。



当然の流れのように


当然に俺はリョウの家へと流れた。



男を家にあげることの意味くらい、きっとリョウは分かっている筈だ。


何も言わず、その流れにそっていく事が自然だった。



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