愛の終わりを奏でたい
待ち合わせ
12月も終わりに近付き、街行く人は皆どこか急いでいるように見えた。
『寒……』
マフラーに顔を埋めた時、目の前に白いものが揺れた。
『わあ、雪!!』
すれ違うカップル。
嬉しそうに叫んだ女の子の声につられて、わたしは空を見上げた。
灰色の空から降りてくる白くて儚いその物体を、掌で受け止める。
ひんやりと微かに触れたその瞬間に、消えていく。
終わりかけの愛のようだ、と思わず苦笑いした。
『綺麗……』
さっきの女の子がそう言って彼氏の腕に手を回し、二人は歩き出す。
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