愛の終わりを奏でたい
 


変わることが、いけないことのように思っていた。


でも、アレンジひとつで、優しい調べにもなる。


Jazzのことを全く知らなかったわたしが、いつしか好きになった曲もある。


そう、好きなものが増えるって、素敵なこと。



独り言のように、わたしは呟く。



『……「愛」もアレンジ出来るのかしら?』



『そこに「愛」があれば、きっと』


マスターも静かに答えた。





一一カラン。


喫茶店のドアが開き、視線を移す。


達也が来た。


午後4時55分。


待ち焦がれた恋人の姿に、胸が熱くなる。




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