愛の終わりを奏でたい
 

「素敵ね」


あたりを見回して、わたしは言う。


マスターがメニューを持って来た時、達也は言った。


「ブレンド、ふたつ」


カウンターに戻ったマスターの姿を目で追ってから、達也はわたしに向き直ると、笑顔で言った。


「この喫茶店のブレンドは絶品。飲んでみて」


甘党のわたしが初めて飲むブレンドはやはり苦くて。


美味しそうに飲んでいるように見えますように、そう願いながら苦さを我慢する。


「味はどう?」


達也が聞いてくる。




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