愛の終わりを奏でたい
「美味しい」
笑顔で答えると、達也は無言でわたしの頭を優しく撫でた。
「恋人と飲むブレンドは最高だ」
満足そうな達也を見ていて、わたしも最高に幸せだった。
まだ付き合い始めたばかりのわたし達。
相手のことが知りたくて。
自分のことを知って欲しくて。
会話は尽きない。
おしゃべりして渇いた喉をブレンドコーヒーで潤す。
達也の話を聞き逃すまいと、いつしかブレンドの苦さも気にならなくなってゆくわたし。
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