愛の終わりを奏でたい
 


達也が話す。


この喫茶店に来るようになったきっかけ。


Jazzを好きになった理由。


そして、わたしの反応を見て、嬉しそうに笑う。


そして、達也は言った。


わたしと出会えて良かったと。


わたしをこの喫茶店に連れて来て良かったと。


真剣な達也の視線に、照れてしまう。


早く打つ心臓を静めようとコーヒーカップに手を伸ばした。


空っぽのコーヒーカップに気付き、手を止めた時、


「カフェ・オレでも頼む?」


達也がわたしに言った。


「亜由美、苦いのダメなんだな」



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