愛の終わりを奏でたい
後から後から溢れそうになる言葉を、カップの中の僅かな液体と共に一気に飲み干す。
一一苦い一一
その苦さをわたしは味わった。
わたしはきっと、この苦さを忘れることはないだろう……。
『……よしッ。わたし、行くね』
わたしは明るい声で言うと、テーブルの上の伝票に手を伸ばす。
そんなわたしの手を、達也が掴んだ。
思いがけないそのぬくもりに驚いて、達也を見た。
『オレが……』
達也の目は、あの頃のように真っ直ぐわたしを見ていた。
二人の愛の終わり。
達也も確かに苦しんでいた。
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