愛の終わりを奏でたい
こうやって、達也が来るのを待つのは嫌いじゃない。
わたしが大学に入った年に、同じサークルの3歳上の達也と付き合い出した。
Jazzが好きな達也。
初老のマスターと、マスターの選ぶ曲が好きだと言ってこの店に連れて来て貰ってから、もう4年が経つ。
わたしはJazzのことはよくわからないが、少しモダンなこの喫茶店の雰囲気が大好きだ。
この喫茶店も、この窓から見える景色も変わらない。
こうやって窓を眺めながら、いつも少し遅刻してくる達也を待っていたわたし。
わたしは……あの頃と変わってしまった?
・