死ぬまで。
屋上では丁度、イルミネーションが点灯されたところだった。

「綺麗だねぇ、でも君のほうが綺麗かぁ!ワハハハ!」

おじさんが笑っている。

イルミネーションは本当に綺麗だった。
赤、青、白、黄色…。
さまざまな色の光が溢れていた。
いろんな色が交じり合って、こんなに綺麗になっているのに
…どうして私の“色”は認めてもらえなかったんだろうか。


私は悔しくなった。


ふいに、おじさんがキスをしてこようとした。
私は驚いたけど、おじさんをやんわりと離して、
「あとでにしましょう」と微笑んだ。
まぁ、あとでなんてないけど。


あるとしたら、来世。



何も知らないおじさんは
「いじわるだなぁ~ジラすのかい?
でも楽しみにとっておこう」と笑った。



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