プライダル・リミット
真相から浮かび上がったさらなる疑問――ショウの真意――マキオは訊かずにはいられなかった。
「そもそもなんでショウさんはリュウと上京しなかったの? 一緒にバンドやってたんでしょ?」
「家庭の事情ってヤツですかね。ショウさんもケイさんもずっとバンドやってたかったと思いますよ。リュウさんだって……。高校卒業してからリュウさんはフリーターしてたけど、ショウさんとケイさんは地元の大学に行っちゃったから。ショウさんは父親が市議会議員で、ケイさんは実家が病院なんです。それで2人とも大学に入ったようなもんですよ」
「ショウさんも、そのケイさんていう人も東京の大学に行けばよかったんじゃない? リュウは二十歳《ハタチ》になったら上京するって言ってたんでしょ?」
「まあ、そりゃそうですけど……。離れたくなかったんじゃないですか? 群馬と東京じゃちょっと遠いし。バンド活動もままならなくなっちゃうし。ショウさんもケイさんもいつかは親の跡継いでバンドやめなくちゃいけないと思ってたと思うし。ここでやめるよりはあと2年って思ったんじゃないですかね。リュウさんもそれがわかってたから2人を誘わなかったんです。3人の“絆”がそうさせたっていうか……」
「“絆”……」
「でも……もしかしたらショウさんもケイさんも、リュウさんが声を掛けてくれるのを待っていたのかもしれない……。また観たいな。3人のステージ……」
「そもそもなんでショウさんはリュウと上京しなかったの? 一緒にバンドやってたんでしょ?」
「家庭の事情ってヤツですかね。ショウさんもケイさんもずっとバンドやってたかったと思いますよ。リュウさんだって……。高校卒業してからリュウさんはフリーターしてたけど、ショウさんとケイさんは地元の大学に行っちゃったから。ショウさんは父親が市議会議員で、ケイさんは実家が病院なんです。それで2人とも大学に入ったようなもんですよ」
「ショウさんも、そのケイさんていう人も東京の大学に行けばよかったんじゃない? リュウは二十歳《ハタチ》になったら上京するって言ってたんでしょ?」
「まあ、そりゃそうですけど……。離れたくなかったんじゃないですか? 群馬と東京じゃちょっと遠いし。バンド活動もままならなくなっちゃうし。ショウさんもケイさんもいつかは親の跡継いでバンドやめなくちゃいけないと思ってたと思うし。ここでやめるよりはあと2年って思ったんじゃないですかね。リュウさんもそれがわかってたから2人を誘わなかったんです。3人の“絆”がそうさせたっていうか……」
「“絆”……」
「でも……もしかしたらショウさんもケイさんも、リュウさんが声を掛けてくれるのを待っていたのかもしれない……。また観たいな。3人のステージ……」