プライダル・リミット
「用事がありますので」そう言ってカズが店を出ていった後、1人になったマキオにマダムが話し掛けた。
「カズちゃんのリュックに刺さってた物、マキオちゃんなんだかわかる?」
「リュック?」
マキオは記憶を辿った。カズのリュックサック――脇に刺された2本の棒。
「バチ!?」
「そう。ドラムスティック。カズちゃんね、リュウちゃんに憧れてドラム始めてから今でもやってるのよ。ドラムスクールまで通って。“用事がある”なんて言ってたけど、きっと今日はその日なのね」
「カズくんがドラムを……。でも、リュウに憧れてるからってなんでわざわざドラムなんですかね? ギターならわかるけど……。だって、バンドのドラムにはリュウがいたわけだし、それじゃ一緒にバンドやれないじゃないですか」
「少しでも憧れの人に近づきたくてその人の真似をしたくなるものよ。リュウちゃん達とバンドやろうなんて考えてもいないんじゃないかしら?」
「そういうものなんですか?」
「そういうものよ。でも、今はどうかしらねぇ?」
「えっ?」
「カズちゃんのリュックに刺さってた物、マキオちゃんなんだかわかる?」
「リュック?」
マキオは記憶を辿った。カズのリュックサック――脇に刺された2本の棒。
「バチ!?」
「そう。ドラムスティック。カズちゃんね、リュウちゃんに憧れてドラム始めてから今でもやってるのよ。ドラムスクールまで通って。“用事がある”なんて言ってたけど、きっと今日はその日なのね」
「カズくんがドラムを……。でも、リュウに憧れてるからってなんでわざわざドラムなんですかね? ギターならわかるけど……。だって、バンドのドラムにはリュウがいたわけだし、それじゃ一緒にバンドやれないじゃないですか」
「少しでも憧れの人に近づきたくてその人の真似をしたくなるものよ。リュウちゃん達とバンドやろうなんて考えてもいないんじゃないかしら?」
「そういうものなんですか?」
「そういうものよ。でも、今はどうかしらねぇ?」
「えっ?」