プライダル・リミット
「知ってて手を出したのか?」
 リュウが問い質す。
「だったらなんだ?」
 今度はショウが聞き返す。
「オマエ……! アイツの気持ちをなんだと思ってんだ!」
「だからオモシレェんじゃねぇか。他人が手に入れられねぇモノをあっさり自分が手に入れちまう。得もいえぬ快感だぜ?」
「腐ってんな……」
「簡単だったぜ。あの女、もともと俺のファンだしな。俺が一声掛けりゃソッコーホテルに直行よ。のこのこシッポ振ってついてきやがったぜ。ベッドじゃ腰振って……」
「人の心をなんだと思ってんだ!!」
 リュウが右の拳を構える。臨戦態勢をとるショウ。マキオは込み上げる感情を必死に堪えようとしていた。が――



< 135 / 204 >

この作品をシェア

pagetop