プライダル・リミット
「どうしたの? さっきから私の顔見て黙っちゃって。あっ、やだもう。私がいくらカワイイからって見とれないでよ」
(くっ……! この女、自分で自分をカヨワイだのカワイイだの、品性が感じられない)
「ほら、カナちゃん。冗談はそのくらいにしておきなさい。マキオちゃんが困ってるじゃない」
「じょ!? ひどーい、ハジメちゃん」
「こら! その名前で呼ぶのはやめなさいって言ってるでしょ。ここではマダムって呼んでちょーだい。アナタもリュウちゃんも。ホントよく似てるわ、アナタ達」
「ちょっとやめてよ。私のどこがアイツと似てるのよ!」
「はいはい、ごめんなさいね」
「もう」
カナは少しふてくされた。
「来たばっかりで悪いんだけど、サンドイッチをお向かい《ライブハウス》の楽屋に届けてくれる?」
「えぇ!? まだ私着替えてないのにぃ」
「今日のバンドはイケメンだったわよぅ」
「ホント!? 行く行くぅ」
「じゃあお願いね。また話し込んじゃダメよぅ」
「は~い。行ってきま~す」
カナはマダムからサンドイッチが入ったバスケットと釣銭が入ったコインケースを受け取ると勢いよく店を飛び出していった。
(くっ……! この女、自分で自分をカヨワイだのカワイイだの、品性が感じられない)
「ほら、カナちゃん。冗談はそのくらいにしておきなさい。マキオちゃんが困ってるじゃない」
「じょ!? ひどーい、ハジメちゃん」
「こら! その名前で呼ぶのはやめなさいって言ってるでしょ。ここではマダムって呼んでちょーだい。アナタもリュウちゃんも。ホントよく似てるわ、アナタ達」
「ちょっとやめてよ。私のどこがアイツと似てるのよ!」
「はいはい、ごめんなさいね」
「もう」
カナは少しふてくされた。
「来たばっかりで悪いんだけど、サンドイッチをお向かい《ライブハウス》の楽屋に届けてくれる?」
「えぇ!? まだ私着替えてないのにぃ」
「今日のバンドはイケメンだったわよぅ」
「ホント!? 行く行くぅ」
「じゃあお願いね。また話し込んじゃダメよぅ」
「は~い。行ってきま~す」
カナはマダムからサンドイッチが入ったバスケットと釣銭が入ったコインケースを受け取ると勢いよく店を飛び出していった。