プライダル・リミット
“カランカラ~ン”
「あ~疲れた。買ってきてやったよ、レタスと雑誌。運賃貰いたいくらいだぜ」
「ご苦労様。ありがとね、愛してるわリュウちゃん」
「愛より金をくれっ」
「あら、世の中お金より愛よ。」
「はいはい。そうでしたね」
 マキオは入り口のベルにも気づかなかったが、リュウの声で少し冷静さを取り戻した。
 リュウが席に着くとすかさずテーブルにクリームソーダが2つ差し出された。
「グッタイミ~ング」
「マキオちゃんがね、クリームソーダはリュウちゃんが帰ってくるまで待つって聞かないのよ」
「マ、マダム」
「マジで!? 待っててくれたんか? お前いいトコあるじゃねぇか」
「い、いや、まあ……」
「ありがとな。食おうぜ。アイスが溶けちまう」
 リュウは嬉しそうにアイスクリームを頬張った。そんなリュウを見てマキオもちょっと嬉しくなった。
「うめぇな?」
「うん、おいしい」




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