プライダル・リミット
リュウはクリームソーダを飲みながらさっきの話の続きを始めた。
「さっきは途中で邪魔が入っちゃったから改めて。俺の名前は藤真竜《ふじまりょう》。坂本竜馬の“竜《りょう》”で“りょう”。お袋いわく、親父が坂本竜馬が好きでこの名前を付けたらしい。みんなからは字のまんま“りゅう”って呼ばれてるけどな。中村憲剛《なかむらけんご》みたいなもんだ。“けんごう”じゃなくて“けんご”みたいな。って聞いてんのかよ!?」
リュウにはマキオが上の空のように見えた。視線の先には先程のウエイトレス。
「オイ! 聞いてんのかよ?」
「う、うん。聞いてるよ。坂本竜馬の“竜《りょう》”で“りょう”でしょ。でもみんなからは“りゅう”って呼ばれてるんだよね」
「なんだよ。ちゃんと聞いてたのかよ。で、中村憲剛《なかむらけんご》みたいだろ? “けんごう”じゃなくて“けんご”みたいな。って聞いてんのかよ!?」
マキオは無意識に視線をウエイトレスに戻していた。
「オイ! 聞いてんのかよ!?」
「う、うん。聞いてるよ。中村憲剛《なかむらけんご》みたいなんでしょ」
(そのくだりは別に……)
「聞いててそのリアクションかよ! ボケたらツッコむ。お笑いの基本だぜ」
「お笑い芸人になりたいの? そもそも今のはボケなの? ただ漢字の読みの違いを指摘しただけのような」
「う、うるせぇ。理屈っぽいんだよ。だいたい人が話してる時は相手の目を見てだなぁ」
(どっかで聞いたことのあるセリフ……)
「さっきは途中で邪魔が入っちゃったから改めて。俺の名前は藤真竜《ふじまりょう》。坂本竜馬の“竜《りょう》”で“りょう”。お袋いわく、親父が坂本竜馬が好きでこの名前を付けたらしい。みんなからは字のまんま“りゅう”って呼ばれてるけどな。中村憲剛《なかむらけんご》みたいなもんだ。“けんごう”じゃなくて“けんご”みたいな。って聞いてんのかよ!?」
リュウにはマキオが上の空のように見えた。視線の先には先程のウエイトレス。
「オイ! 聞いてんのかよ?」
「う、うん。聞いてるよ。坂本竜馬の“竜《りょう》”で“りょう”でしょ。でもみんなからは“りゅう”って呼ばれてるんだよね」
「なんだよ。ちゃんと聞いてたのかよ。で、中村憲剛《なかむらけんご》みたいだろ? “けんごう”じゃなくて“けんご”みたいな。って聞いてんのかよ!?」
マキオは無意識に視線をウエイトレスに戻していた。
「オイ! 聞いてんのかよ!?」
「う、うん。聞いてるよ。中村憲剛《なかむらけんご》みたいなんでしょ」
(そのくだりは別に……)
「聞いててそのリアクションかよ! ボケたらツッコむ。お笑いの基本だぜ」
「お笑い芸人になりたいの? そもそも今のはボケなの? ただ漢字の読みの違いを指摘しただけのような」
「う、うるせぇ。理屈っぽいんだよ。だいたい人が話してる時は相手の目を見てだなぁ」
(どっかで聞いたことのあるセリフ……)