プライダル・リミット
「マキオ、ごめんな」
リュウが申し訳なさそうに謝った。
「うん」
マキオの気持ちはとっくに収まっていた。
「食べようぜ、マダム特製クラブサンド。うまいぜ」
「うん」
2人は半分に切られたクラブサンドを半分ずつ手に取って頬張った。
「なっ、うまいだろ?」
「うん、うまいっ」
リュウはこれをきっかけに話し始めた。内容なんて特にない、他愛もない話。一方的に話すリュウと、時々それに頷いたり一言二言返すだけのマキオ。“会話”という言葉の意味が言葉のキャッチボールだとしたらまだまだ〝会話〟と呼べるものではないかもしれないが、そこには時折笑い声が聞こえてくる友達同士の光景があった。
「お話中のところ申し訳ないんだけど、もう閉店の時間なのよねぇ」
時刻は午後10時を回っていた。店内はすっかり閉店の準備がされている。カナとリンの姿もない。
「もう!? この店、閉めるの早くね?」
リュウは話し足りないようだが、マキオはさすがに疲れていた。
(もう帰りたいな)
「ウチはカフェであってファミレスじゃないのよ。アタシだってまだ次の仕事があるんですから」
「そうでした」
リュウはマダムの事情を理解しているようだ
リュウが申し訳なさそうに謝った。
「うん」
マキオの気持ちはとっくに収まっていた。
「食べようぜ、マダム特製クラブサンド。うまいぜ」
「うん」
2人は半分に切られたクラブサンドを半分ずつ手に取って頬張った。
「なっ、うまいだろ?」
「うん、うまいっ」
リュウはこれをきっかけに話し始めた。内容なんて特にない、他愛もない話。一方的に話すリュウと、時々それに頷いたり一言二言返すだけのマキオ。“会話”という言葉の意味が言葉のキャッチボールだとしたらまだまだ〝会話〟と呼べるものではないかもしれないが、そこには時折笑い声が聞こえてくる友達同士の光景があった。
「お話中のところ申し訳ないんだけど、もう閉店の時間なのよねぇ」
時刻は午後10時を回っていた。店内はすっかり閉店の準備がされている。カナとリンの姿もない。
「もう!? この店、閉めるの早くね?」
リュウは話し足りないようだが、マキオはさすがに疲れていた。
(もう帰りたいな)
「ウチはカフェであってファミレスじゃないのよ。アタシだってまだ次の仕事があるんですから」
「そうでした」
リュウはマダムの事情を理解しているようだ