プライダル・リミット
2人は外に出ると駅の方に歩き始めた。あたりはすっかり人気《ひとけ》もなく、冷たい空気に冬の訪れを感じる。
「さっきは悪かったな」
「えっ? 何が?」
「妹だよ。失礼なことして」
「あ、あぁ。いいよ、別に」
「昔はあんなんじゃなかったんだけどな……」
マキオは黙っていた。半分はリュウの心情を汲んで聞けなかった。もう半分は他人の事情を疎んで聞かなかった。それから2人は言葉も交わさずに歩いていたが、しばらくしてリュウが静かに沈黙を破った。
「妹は……カナは本当の妹じゃないんだ」
「さっきは悪かったな」
「えっ? 何が?」
「妹だよ。失礼なことして」
「あ、あぁ。いいよ、別に」
「昔はあんなんじゃなかったんだけどな……」
マキオは黙っていた。半分はリュウの心情を汲んで聞けなかった。もう半分は他人の事情を疎んで聞かなかった。それから2人は言葉も交わさずに歩いていたが、しばらくしてリュウが静かに沈黙を破った。
「妹は……カナは本当の妹じゃないんだ」