王子様のお姫様
私は全部話した。
できるだけ私の気持ちが伝わるように話した。
「そうだったんだ……」
話を聞き終えた大太君は真剣に私と向き合ってくれた。
「話してくれてありがとう。姫子の気持ち、よく分かるよ?よく分かるっていっても、それ以上に姫子は辛かったんだと思う。」
大太君、泣いてる……。
「姫子、これから楽しい思い出いっぱい作ろう?今からでも全然間に合うから……!」
こんなに嬉しい気持ちになるの、初めてかもしれない。
「うん!」
私がそう言うと、大太君も笑った。