王子様のお姫様
「大太君、もう5時だよ。」


時計を見ながら私が言った。

「あっ、そろそろ行かねぇと……」

大太君は脱いでいた上着を羽織った。

「姫子。」

「?」

「明日はいつも通り、学校行けよ。」

「えっ…でも学費が…」

「学費なんか全然平気だよ。」

そう言って大太君は立ち上がった。私も立ち上がった。

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