王子様のお姫様
「違うの……嬉しくて……」


あんまり上手に言えないけれど、とにかく「嬉しい」という事は伝えた。

大太君は私から離れ、また私の頭を撫でた。


「今日は12時までには帰るから。俺が帰っくるまで泣かないで待ってて?」

その時、大太君の唇が私の唇に触れた。

「!?」

大太君は唇を離すとニコッと笑う。


「この事、ばぁちゃんには内緒な?」
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