王子様のお姫様
頭の中が真っ白になった。

「じゃ、行ってくるね。」

最後に私の頭を二回、ぽんぽんと優しく叩き、玄関の方へ向かう。


「…待って!」


気付いた時には、何故か私は大太君の上着を少し掴み、大太君を止めていた。

「どした?」

私にも分からない。
どうして大太君を止めたのか。

多分、本気で大太君と離れたくないから…
気持ちを整理する前に行動してしまった。

「あっ…あの……」

「?」



「大太君の夕飯……」

「夕飯…作ってくれんの?」
< 51 / 53 >

この作品をシェア

pagetop