聖夜の奇跡
03 二度目のクリスマス
季節は廻り廻って、またこの日を迎えた。
12月25日。
恋人たちのクリスマス。
「だから何がクリスマスだっつーの。」
お店のクリスマスコーナーでプレゼントを見ながら私は呟く。
その手にはしっかりと、ビニール傘が握られていた。
だって今日はクリスマスだもの。
彼に初めて会った大切な日。
もしかしたら……
なんて。
いつも以上に期待しちゃうじゃない?
私は軽い足取りでいつものベンチへ向かった。
会いたい。
会いたいよ。
会って、あなたにお礼が言いたいの。
そして伝えたいの。
好きです……って。
そう。