聖夜の奇跡
街中を歩いているのはたくさんのカップル。
私は一年前を思い出していた。
つまらない、その一言で私は彼氏に別れを告げられた。
だからクリスマスは嫌いだ。
恋人たちのクリスマス?
笑わせるのもいい加減にして欲しい。
私には、素敵なサンタクロースはやって来ないのかな?
「あー、やめやめ!」
考えだすと、すぐマイナスになる。
私の悪い癖だ。
鞄からそっと包装された箱を取り出す。
クリスマスプレゼント……受け取ってもらえるかな?
突然渡して、驚かれないかな?
私は再び箱を鞄にしまった。
時刻はもう、21時を回っていた。