聖夜の奇跡
「暇だったからだよ。」
そう一言だけ言って、元彼は彼女の腕を引っ張って去っていった。
最低。
最低だよ。
こんなことって、ありなの!?
ねぇ、暇だから私と付き合って、つまらなくなったから別れたの?
悔しい。
悔しすぎる。
また雪が、空から降ってきた。
やっぱりクリスマスなんて、最低だよ。
涙を堪えることが出来なくて、私はその場にしゃがみこんだ。
冷えきった体がいっそう冷えていった。
周りも気にせず、ずっと泣き続けた。
雪がだいぶ、私の上に積もっていた。
「君は、また泣いているんですね。」
頭上から、声が聞こえた。