聖夜の奇跡
街に流れるクリスマスソングが私を苛つかせる。
『お前といてもつまんねぇし。』
彼氏の最後の一言だった。
「何がつまんねぇのよ!」
だんっ!
思いっきり商品を棚に戻す。
初恋だったから……。
失恋の仕方なんて知らなかった。
何も、クリスマスじゃなくたっていいじゃない。
私は苛つく気持ちを抑えて、店の外へと出た。
そしてあてもなく歩いていた。
馬鹿馬鹿馬鹿。
気が付くと、涙が出てきていて……。
その場で泣き崩れていた。