聖夜の奇跡
「元彼は?」
「違った……ってことだね。」
クリスマスの日、彼氏にフラれたショックはとても大きかった。
世界が、真っ暗で。
街の綺麗なイルミネーションも幸せそうなカップルも。
私の心を苛々させるだけだった。
だけど、今、つらくないのはきっと、彼がいたから。
あの時、傘を貸してくれたから……。
もし、運命なら……私たち、絶対に会うことが出来るよね……?
次、会えたら、この気持ち伝えるんだ。
「私さ、嫌な噂……耳にしたんだよね。」
「何……?」
マナが言いにくそうに言うのを、私は不思議そうに見た。
「あいつさ……実は……。」
「……え……?」