伝えたいのは
歩くこと
数分
お互い無言。
できれば一緒の傘に入りたくなかったのに―――
遡ること数分前
(幹也回想)
◇◆◇◆◇◆
「小さいからお前入れ」
…実に風邪ひかれたら
困るし
そんなこと思っていても
恥ずかしくて絶対言えない俺はぶっきらぼうに断ったのに
実は
「いいから二人ではいるの!!!」
そう言ってきかない
「いやだから…」
「みっちゃんに!か、風邪ひかれたら…困るし…」
また断ろうとしたら
寒さのせいで頬が真っ赤になり、
俺より背が低いためどうしても上目使いになるその顔で
自分と同じようなことを
考えてる台詞を言われたら
…余計どうしていいか
わからなくなる