雪降る頃に

確かに俺は女―――。

あるきっかけで男になったけど。

・・・迷ってるんだ。
本当にこのままで
いいのか・・・?
自分でも今の自分が
分からない・・・
この先の自分のことも。
目の前が真っ暗に
なったような感覚―――。

暫くして海都兄の
声で引き戻される。

「どした??気分悪いか??」
「大丈夫。ちょっと考え事」
「じゃ、ついでに考えとけよ」
「・・・何を??」
「女に戻ること」
「・・・・・・」
「返事は??」
「・・・・・・」
「あーきー、返事は??」
「今はうんとは言えない」
「何で?」
「言えないものはいえない」
「・・・わかった。じゃぁ、じっくりな」

海都兄は納得いかなかったみたいだけど
そっと部屋をでた。


「はぁ~」

またため息が漏れる。
まだ考えられない。女に戻る??
そのまま男で・・・??
中途半端な心、迷いは消えない―――





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